パーム油は加工食品や化粧品、石けんなど、私たちに身近な数多くの消費財に含まれており、経済発展とともにその世界的な需要は増え続け、現在世界で最も大量に生産される植物油です。供給側へ目を転じた場合、世界のパーム油の大半はインドネシアとマレーシアで生産されており、両国においてパーム油は基幹産業としての重要な位置をしめ、貧困の削減や雇用の拡大といった役割を果たす一方、環境や社会への深刻な影響も指摘されています。例えば、プランテーション開発に伴う熱帯雨林伐採とそれに伴う生物多様性の喪失、森林火災等による泥炭地や樹木に固定されていた炭素の大気への放出、パームの木を燃焼した時に発生する煙による健康被害、農薬や搾汁工場からの排水で生じる土壌汚染や水質汚染等の環境問題や、地元住民からの土地の収奪、児童労働者や不法就労者からの搾取、劣悪な労働環境や健康被害といった社会問題等が広く知られています。このような状況に対し、パーム油の持続可能な調達を求める声の高まりに呼応する形で、RSPO(Round Table of Sustainable Palm Oil)、ISPO(Indonesia Sustainable Palm Oil)、IPOP(Indonesia Palm Oil Pledge)等数多くのイニシアチブが立ち上がり活動を行っています。また、今年の6月に入り、最終的には否決されたものの、フランスでは持続可能でないパーム油に高い関税率を求める法案が提出され、シンガポールではSingapore Alliance on Sustainable Palm Oilが形成される等、ヘイズ(煙害)の問題に対する動きも見られます。
多くの問題が指摘されるパーム椰子ですが、収穫されるパーム果実(FFB : Fresh Fruit Bunch)のうち、パーム油が占める割合は重量比で25〜30%程度で、パーム椰子核殻(PKS : Palm Kernel Shell)、空果房(EFB : Empty Fruit Bunch)や果肉繊維等、生産工程で生じる残渣のバイオエネルギーとしての有効利用が進められており、生産されたパーム油自体をバイオディーゼルとして利用することも模索されています。更に、一定収量のパーム果実を維持するためにパーム椰子の木は25年〜30年に一度に植え替えを行う必要がありますが、その際、大量に生じるパーム古木もバイオエタノールやバイオプラスチック等の原材料として利用できるバイオマス資源として注目されはじめています。
今回は、インドネシア最大の農業大学である国立ボゴール農科大学、界面活性剤・バイオエネルギー調査研究センター(SBRC-IPB)の先生の来日に合わせ、限られたバイオマス資源の有効利用といった観点からインドネシア、マレーシア両国のパーム椰子のバイオエネルギー利用と持続可能性にかかわる課題について紹介していきます。
時間 | メニュー |
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13:30 - 14:00 | 受付 |
14:00 - 14:10 |
開会挨拶 TCO2株式会社、代表取締役、正畠宏一、日本 |
14:10 - 15:10 |
インドネシアにおけるパーム椰子バイオマスのエネルギー利用に関する現状と持続可能性にかかわる課題 ボゴール農科大学、ヤンドラ・アルケマン、インドネシア |
15:10 - 15:55 |
マレーシアにおけるパーム古木、PKSの有効活用にかかわる可能性と課題* 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構、林 清忠、日本 |
15:55 - 16:00 |
閉会挨拶 株式会社日本パームマテリアル、赤坂満秋、日本 |
プログラム内容は予告なく変更されることがあります
主催者 | 株式会社日本パームマテリアル |
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事務局 |
TCO2株式会社 |
日時 | 2016年10月7日(金) 14:00 - 16:00 |
場所 |
中央大学 駿河台記念館 会議室 570(東京 お茶の水) アクセスマップ >> |
参加費用 | 無料 |
定員 | 35名 |
お申込み方法 |
* ご参加には事前のお申込みが必要となります * 10分以内に確認メールが届かない場合には再度お申込みください |
その他 |
* 定員を超えた場合には、人数の調整をお願いすることもありますが、あらかじめご了承ください * ご来場の際には名刺を1枚ご用意ください * プログラムの内容については予告なく変更することがあります |
お問い合わせ |
TCO2株式会社 東京本社 電話:03-6272-6814 メール:LCA@tco2.com |
日時 | 会場 | イベント名 |
平成28年10月3日(月)14:30 - 16:30 |
京都テルサ(京都府民総合交流プラザ)2階 東館 第1セミナー室 |
持続可能なパーム製品を確立するための今後の課題第3回LCAフードサプライチェーン・アジア国際ワークショップ |
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平成28年10月19日(水)10:00 - 16:45 |
中央大学 駿河台記念館 会議室 570 |
持続可能性の見える化に関するグローバルな最新動向 ワークショップ 〜欧州におけるLCAの政策活用と日本への影響〜 |