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Carbon Footprint Glossary

目次

用語集

あ行〜
アロケーション
配分」の項目を参照
一次データ
カーボンフットプリントの算定を行う事業者が、自らの責任で収集するデータ(シナリオ設定に基づいて収集されるデータを含む)をいう。
( PCR策定基準 )
自社で測定をしたデータや、他社への聞き取りを行って収集したデータのことをいいます。たとえば、電気、水道、ガスの使用量、投入した材料やエネルギーの重量や部品の個数、廃棄物の重量といったデータ等があります。
インベントリ分析 ( Inventory Analysis )
影響評価 ( Impact Assesment )
温室効果ガス、GHG ( Green House Gas )
大気を構成する気体で、地球の表面、地表から放射された赤外線の一部を吸収することにより温室効果をもたらす気体を言います。
カーボンフットプリント制度では京都議定書で対象となっている6ガス(CO2、CH4、N2O、HFCs、PFCs、SF6)を考慮することになっています。
か行〜
カーボンフットプリント制度、CFP ( Carbon Footprint of Products )
カーボンフットプリント制度は、商品及びサービスの原材料調達から廃棄・リサイクルに至るライフサイクル全体を通しての環境負荷を定量的に算定するLCA(ライフサイクルアセスメント, Life Cycle Assessment)手法を活用し、ライフサイクル全体における温室効果ガス排出量をCO2に換算し表示するものである。
( カーボンフットプリント制度の在り方 )
詳しくは、「カーボンフットプリント入門:カーボンフットプリントとは」をご覧ください。
開ループリサイクル ( Open-Loop Recycling )
再生材を、他の製品システムで利用する種類のリサイクルのことを言います。多くの場合、再生材、元の材料(バージン材)よりも品質が劣ることが多いため、この道をたどることになる。
カットオフ
全体の結果に大きな影響を及ぼさない物質やフローについて、一定の基準以下のものは無視をすることをいいます。
カットオフ基準
LCAの算定において、商品又はサービス全体のCO2排出量の算定結果に大きな影響を及ぼさないものとして、一定の基準以下のものは算定を行わなくてもよい取決めをいう。
カットオフする場合は、当該商品又はサービスの各ライフサイクル段階のCO2総排出量に対してそれぞれ5%以内とする。また、カットオフする範囲を明示しなければならない。
( PCR策定基準 )
カットオフ基準の尺度としては、@質量 Aエネルギー B環境の重要性、といったものが上げられます。例として、多数の部品からなる製品において、重量比で1%以下の部品はカットオフするといった方法があります。しかし、例えば、カーボンフットプリントを算出するにあたり、フロン類(高いGWPを持つ)を使用するプロセスを含む部品を、画一的に重量のみを基準としてカットオフしてしまうと、結果に有意な影響を与える部品をカウントしない可能性がでるなど、カットオフ基準を決める場合には注意が必要です。カーボンフットプリント制度においては、ライフサイクルの各段階において、CO2換算で5%以内と定められており、多くのケースについては製品・サービスごとのPCRで経験則に基づいた、妥当なルールが作成されることが期待されます。
間接影響
商品又はサービスのLCAを行う中でシステム境界内のプロセスに直接影響を及ぼさないことをいう。
( PCR策定基準 )
例えば、当該製品を廃棄したところから、リサイクルされた材料について、当該製品では使わない(使えない)材料であった場合に、これは「開ループリサイクル」にあたり、当該製品に直接関係しないことから、間接影響に分類をされます。
間接部門(生産設備)
生産設備において、事務や研究開発など生産に直接関係しない部門をいう。
( PCR策定基準 )
例えば、製造業では、マネジメント、研究開発、営業といった、いわゆるオフィスで業務を実施する部門等のこと。
機能単位 ( Functional Unit )
製品システムが提供する機能を定量的に表したもの。これによって、製品システムへの入力・出力データを機能単位当りで表す基準を与える。
( JIS Q 14040 )
対象とする製品やサービスの特定機能(便益)をある単位で定量化したものを言います。例えば、「時間を10年間表示する」、「地上を10万キロ移動をする」、「A4の紙1万枚をカラーコピーする」、「500[ml]の飲料を保護して消費者に提供する」といった例が挙げられます。
基本フロー ( Elementary Flow )
調査対象のシステムに入る物質又はエネルギーで事前に人為的な変化を加えずに環境から取り込まれたもの、及びシステムから出る物質及びエネルギーで、事後に人為的な変化を加えずに環境へ排出されるものをいう。
( JIS Q 14040 )
調査対象の製品システムの環境からの入力、環境への放出をするフローのことをいいます。
さ行〜
産業連関分析法、EIOLCA ( Economic input-output LCA )
産業連関表は産業間の金銭的なつながり(連関)を表すもので、そこへ産業ごとの環境負荷のデータを投入して、環境負荷の波及効果を計算することで、産業毎の金額あたり(通常百万円単位)の環境負荷の原単位を求めることができます。
長所としては、製品やサービスの価格がわかり、産業の分類にマップできれば環境負荷が算出できるという網羅性の高さと、統計値であるが故の客観性の高さが上げられます。
短所としては、同じ産業分類で値段が高いものほど環境負荷が高く、値段が安いほど環境負荷が低いという、必ずしもミクロレベルの現実とそぐわない結果をもたらす場合あります。
また、産業連関表は国内産業の全てを網羅したマトリックスであるために、輸入財に関しては、国内と海外での生産方法の違い等により、環境負荷原単位が異なっていることが予想され、実情と大きく乖離をする場合があります。
分析結果が公開されている事例としては、(独)国立環境研究所が提供をする、産業連関表による環境負荷原単位データブック(3EID)等があります。
システム境界 ( System Boundary )
製品システムと、環境又は他の製品システムとの境界。
( JIS Q 14040 )
システム境界の内側のプロセスはLCAのデータ収集・解析の対象になります。LCAでは、調査の目的、インベントリ分析やインパクト評価の結果と照合をしながら調整をしていきます。カーボンフットプリント制度においては、システムの境界は、それぞれの製品・サービス毎にPCRにて規定をされることになっています。
商品種別算定基準、PCR ( Product Category Rule )
同一商品又はサービスの種別ごとの共通のLCA算定基準をいう。
( PCR策定基準 )
詳しくは、カーボンフットプリント入門の「PCRとは」の項をご覧ください。
推計データ
該当データの入手が困難な場合に用いる計画値や設計値に基づくデータをいう。
( PCR策定基準 )
製品システム ( Product System )
1つまたはそれ以上の定義された機能を果たす、物質的及びエネルギー的に結合された単位プロセスの集合体。
( JIS Q 14040 )
製品システムは特定機能(便益)を持っており、その特定機能を明確にする必要があります。例えば、「時刻を表示する」、「人を移動する」、「飲料を保護して消費者に提供する」、といったことが特定機能にあたります。
た行〜
単位プロセス ( Unit Process )
データを収集するための製品システムの最小部分をいう。
( JIS Q 14040 )
地球温暖化係数、GWP ( Global Warming Potential )
CO2を基準として、他の温室効果ガスがどれだけ温室効果をもたらす能力があるか表した数字のこと。

GWP=(対象物質のAGWP)/(CO2のAGWP)。

ただし、AGWP(Absolute GWP)は単位質量の温室効果ガスが大気中に排出された場合に、それがもたらす放射強制力(地球に対して余分にもたらす単位時間あたりのエネルギー)を指定した評価期間にわたって累積したもの。
IPCCでは、20年、100年、500年の積算期間による指数を提示しているが、京都議定書ではIPCCの第2次評価報告書(1995年)にある100年指数の値を使用することが合意され、この場合のGWPは、CH4は21倍、N2Oは310倍、フロンやPCF,SF6は数百倍〜数万倍です。
カーボンフットプリント制度においては、将来の更新を視野に入れるものの、この指数を使うこととされています。
中間フロー
調査対象のシステムの単位プロセス間で発生する製品、物質又はエネルギーフローのことをいいます。システム境界内部でのフローのことを指します。
直接影響
商品又はサービスのLCAを行う中でシステム境界内のプロセスに直接影響を及ぼすことをいう。
( PCR策定基準 )
例えば、当該製品を廃棄したところから、リサイクルされた材料について、当該製品の製造で使用する材料として利用されるものであった場合には、その利用分に関しては、「閉ループリサイクル」となり、リサイクル行為が当該製品の工程に直接関係することから、直接影響に分類されます。
直接部門(生産設備)
生産設備において、生産に直接関係する部門をいう。
( PCR策定基準 )
例えば、製造業では工場、運輸で言えばトラックや航空機等、直接的に製品やサービスの生産にかかわる部門のこと。
積み上げ法
単位プロセスを積み上げて、環境負荷を計算します。
理論的には、積み上げ法を利用したデータの方が、実態を反映した精度の良いデータとなるはずですが、必要とされる全単位プロセスのデータを収集することは現時的には困難(精度を追求すると無限にデータ収集をしなければならない)であり、どこかでシステム境界を設定する必要があります。
長所としては、発電方法や生産技術、材料の輸入国、製品の質、といったより細かい違いが結果に反映されます。よって全く同じ製品であっても調達・生産プロセスが違えば最終的に計算される環境負荷も異なることになります。
短所としては、該当する製品についてのプロセスのデータがなければ新たに聞き取りを行い一次データを収集するか、二次データ、類似データ、推計データ等を探して、当てはめていく必要があるという網羅性の低さ故の手間の増大と、システム境界の取り方や利用データの恣意性、不統一といった点があげられます。
カーボンフットプリント制度では、こういったシステム境界の恣意性、不統一の問題を解決するために、それぞれの製品・サービス毎に、PCRで細かく規定をすることになっています。
データの完全性
取得データについて、対象としている母集団のうち、どの程度の網羅性を持つものか、いいかえると、どの程度の比率でサンプリングを行ったのかを表します。複雑な製品になると、部品点数や原材料の種類が非常に多く、その全てについてさかのぼって環境負荷を計測することは難しいため、重要でないものに関してはカットオフをして、完全性を下げるかわりに、調査の手間を省略できます。例えば、「調査対象の重量基準で95%以上のデータについて把握しているため完全性は十分」といった使い方をします。
データの再現性
再度、同じデータを取得してみた場合でも同様の結果となることを再現性があると言います。
データの整合性
LCAの調査全体を通して、同じ2次データを使っている、同じ測定手法を利用している、といったデータの収集方法、処理方法に一貫性がある場合には整合性があると言えます。
データの精度
取得データについて、どの程度の分散があるのかということを表します。例えば、「±●●%」、「標準偏差▲▲」等。
データの代表性
取得データについて、対象としている母集団をどの程度反映しているかということを表します。たとえば、「データを提出した3社の合計で市場のシェア80%のためこの3社で代表性は十分確保される」といったような使い方をします。
データの有効範囲
データの有効範囲には、時間的(いつの期間に取得したものか)、地理的(どこの場所で取得したもので、どの地域を代表するものなのか)、技術的(どんな技術を対象として取得したものなのか)といった視点等があります。
な行〜
二酸化炭素換算、CO2e ( CO2 Equivalent )
温室効果の視点から対象物質を全てCO2へ換算した場合の重量のこと。対象物質の質量に地球温暖化係数(GWP)を乗じて求めます。例えば、メタン1トンの排出は、1[t] × 21(メタンのGWP)=21[t-CO2e]となり、向こう100年では、CO2を21トン排出したのと同じ温室効果があるということになります。
二次データ
カーボンフットプリントの算定を行う事業者が自ら収集することが困難で、共通データや文献データ、LCAの実施例から引用するデータのみによって収集されるものをいう。
( PCR策定基準 )
文献のLCAの実施例、業界が提供したデータ、またそれらを国や公的機関等が整備した共通データのことを言います。現在、利用可能な積み上げ法のLCAデータベースには、「LCA日本フォーラムLCAデータベース」「JEMAI−LCAデータベース」「エコリーフ原単位データ」といったものがあります。
は行〜
配分 ( Allocation )
複数種別の商品が混流するプロセスや、異なる部門が混在するサイト等において、全体の排出量から個別商品の排出量を推計することをいう。
( PCR策定基準 )
推計をする際には排出量を按分(あんぶん)することになります。その基準としては、物理量(面積、体積、重量、商品数)や経済価値等があり、どの基準を採用するかにより結果が大きく異なることがあります。よって通常は配分を回避する試みをした後に、配分する方法を考えるといった手順を踏みます。また、投入エネルギーや共通の材料は配分するが、対象とする製品だけにしか使われる材料については配分しないといった、できるだけ現状に即した配分方法の適用を模索します。
カーボンフットプリント制度では工程中で配分が生じる場合について、それぞれの製品・サービス毎にルールを規定をすることになっています。
は行〜
バックグラウンドデータ
二次データ」の項目を参照
フォアグラウンドデータ
一次データ」の項目を参照
閉ループリサイクル ( Closed-Loop Recycling )
再生材を、自らの製品システムで利用する種類のリサイクルのことを言います。
ら行〜
ライフサイクル ( Life Cycle )
原材料の採取、又は天然資源の産出から最終処分までの、連続的で相互に関連する製品システムの段階
( JIS Q 14040 )
ライフサイクルアセスメント、LCA ( Life Cycle Assessment )
製品システムのライフサイクルを通した入力、出力、及び潜在的な環境影響のまとめならびに評価。
( JIS Q 14040 )
環境影響を評価する手法で、商品又はサービスの製造から廃棄まで(一般にゆりかごから墓場までと言われる)のライフサイクル全体を通しての環境負荷を定量的に算定、分析、評価する手法のことを言います。
ライフサイクルインベントリ分析、LCI ( Life Cycle Inventory Analysis )
対象とする製品システムに対するライフサイクル全体を通しての入力及び出力のまとめ、並びに定量化を行うライフサイクルアセスメントの構成段階。
( JIS Q 14040 )
製品システムのフローを明確にし、環境やその他のシステムとの境界を設定した上で、投入される資源、排出される物質、廃棄物等のデータを収集して、その入出力の明細票を作成することをいいます。
データの収集方法には大きく分けて2種類あり、単位プロセスごとに材料、エネルギー、環境負荷物質の入出力を調べていく「積み上げ法」と, 産業連関表を利用して、材料や製品の価格から推計する産業連関分析法があります。
ライフサイクル影響評価、LCIA ( Life Cycle Impact Assessment )
製品システムの潜在的な環境影響の大きさ及び重要度を理解し評価することを目的とした、ライフサイクルアセスメントの構成段階。
( JIS Q 14040 )
温暖化に寄与する物質がCO2だけでないように、特定の影響領域(地球温暖化、オゾン層破壊、酸性化等)に寄与する物質は1種類だけではありません。よって、それぞれの物質ごとの影響領域への寄与を合算する必要があります。この手順を分類化・特性化と呼び、導き出された数字は環境領域指標と呼ばれています。カーボンフットプリントの数字は、そのうちの温暖化指標(地球温暖化の環境領域指標)の数字を求めていると言えます。
ライフサイクル解釈 ( Life Cycle Interpretation )
インベントリ分析若しくは影響評価のいずれか、又はその両方から得られた知見を、LCAの結論及び提言を得るために、設定した目的及び調査範囲に整合するように統合するライフサイクルアセスメントの構成段階。
( JIS Q 14040 )
リサイクル効果
リサイクル材を用いることにより、バージン材の製造に必要となるCO2排出量を削減する効果をいう。
( PCR策定基準 )
リサイクル基準
リサイクル工程(例:回収、前処理、再生工程 等)に伴うCO2排出量については、全て原材料調達段階でのリサイクル材に含めることとする。
リサイクル効果については、二重計上が生じないよう、リサイクルの間接影響は考慮してはならない。ただし、廃棄・リサイクル段階(下流工程)のリサイクルの間接影響については、追加表示(別表示)してもよい。
( PCR策定基準 )
カーボンフットプリント制度におけるリサイクルを取り扱う際の基準です。
リユース効果
リユース品を用いることにより、部品等の製造に必要となるCO2排出量を削減する効果をいう。
( PCR策定基準 )
リユース基準
リユース工程(例:回収、洗浄 等)に伴うCO2排出量については、全て原材料調達段階や生産段階でのリユース品に含めることとする。
リユース効果については、二重計上が生じないよう、リユースの間接影響は考慮してはならない。ただし、廃棄・リサイクル段階(下流工程)のリサイクルの間接影響については、追加表示(別表示)してもよい。
( PCR策定基準 )
カーボンフットプリント制度におけるリユースを取り扱う際の基準です。
類似データ
該当データの入手が困難な場合に用いる近似データをいう。
( PCR策定基準 )
現実世界には製造プロセスや原材料が類似した製品や素材が数多くあり、それら全てについて個別にデータを収集をすることは現実的ではありません。このような場合に、既にデータ収集の済んでいる類似した製品のデータを利用して、必要に応じて体積比や重量比等で補正をして利用するデータのことをいいます。

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